FEATURES

シェフとソムリエが語る、新商品「ワインとおつまみセット」

10月1日からご予約の受付がスタートした新商品「ワインとおつまみセット」。1本のワインをお題に、そのワインの味わいや香り、ワイナリーの背景などに合わせておつまみを作るという、シェフとソムリエの新しいコラボレーション企画です。

初回のテーマは「秋の味覚とサンジョヴェーゼ」。メニュー考案を担当したエグゼクティブシェフ長澤と、ワインセレクトを担当したブルーノート東京のソムリエ今野に、今回の企画の背景やワインとおつまみの詳細をインタビュー。セッションのような2人の会話から、ワインと料理の合わせ方のヒントやその先に広がるイメージまで、「ペアリング」の奥深さが垣間みえました。

―――――「ワインとおつまみセット」が商品化されたきっかけは?

長澤(シェフ):
いつもは料理が先にあって、ワインは料理に合わせる、という流れが多いのですが、今回はソムリエが好きなワインを1本選んで、ワインを主体にあわせる料理を作りたいと思ったことがきっかけですね。ブルーノート東京にはソムリエがたくさんいて、ソムリエの力や個性を見せたいな、というのもありました。

今野(ソムリエ):
スターテーブルでこれまで、週末ディナーコースに合わせたペアリングのワインや、セレクトワインなどを販売してきましたが、ワインをよりいろいろな形で提案したいという想いがありました。今回は選んだワインを主体に、お料理にはこんな香りを入れたいとか、具体的にこんなおつまみを入れたいなど、いわばこちらからお題を投げさせてもらった形で、その流れ自体もとても新鮮でしたし、「ペアリング」の奥深さや楽しさを体験していただけるような内容になったと思います。

長澤(シェフ):
料理が先だと自分もテーマとかいろいろ考えちゃうんだけど、今野と具体的にこういうものを合わせたいとか、軽く打ち合わせをしてメニューのイメージは15分くらいですぐできちゃった(笑)。ワインに料理を合わせていくのは僕も新鮮だったし、単純に料理を作るのが楽しかったです。

―――――ワインはなぜ「ヴィッラ パーチナ」を?

今野(ソムリエ):
季節柄と完全に個人の好みで(笑)。もともとこのサンジョヴェーゼという品種が個人的に好きなんです。秋は美味しい食材が多い季節ですし、秋めいてくると赤が飲みたくなりますよね。最近はナチュラルなワインの気分なこともあり、今回のワインを選びました。

長澤(シェフ):
僕的にはイタリアのワインがきたのがちょっと意外というか、面白いチョイスだなと。

今野(ソムリエ):
ブルーノート東京ではあまりオンリストしないジャンルかもしれませんね。こちらのワイナリーはプライベートでイタリアのトスカーナに行ったときに、ご縁があり見学に行きました。ワイナリーは本当にラベルの絵の情景そのまま。もともと修道院だったところで、葡萄の他にもお野菜や穀物も作っているのですが、ワイナリーのある土地はずっと風が吹いているんです。環境的にとても健全なので、農薬もいらないんですよね。自然循環の中でのワイン造りを体感しました。

イタリアワインの中でも名の通ったキャンティ地区の生産者ですが、地区の協会から酸化防止剤をもっと入れろと指示を受け、理念に反するので協会から抜けたという。そういう信念をもった造り手というところもすごく魅力的ですよね。

長澤(シェフ):
やっぱり美味しいものを作る人には、哲学があるんだよね。

―――――どんな味わいのワイン?

今野(ソムリエ):
ひと言で言うと、食事がしたくなるワイン。おつまみが欲しくなります。合わせる食事の幅も広いので、野菜はもちろん合いますし、赤身のお刺身、たとえばカツオなんかもよく合います。ちょっと醤油っぽいニュアンスもあるので、私はうなぎに合わせたりもします。クランベリーのような酸味や香りも感じられます。

―――――どのようにワインと料理を合わせたか、またおつまみの内容は?

今野(ソムリエ):
地域性、味わい、香りなど、多角的な合わせ方をしています。土着品種サンジョヴェーゼのナチュラルなワインなので、おつまみにも同じく地域性のあるものを合わせたいと思い、トスカーナでよく食べられるイノシシの煮込みを入れていただきました。ソースにはワインのニュアンスに合わせてクランベリーを使っているので、これぞペアリングな極上の組み合わせです。豆もよく食べる地域なので、いんげん豆とトリッパの煮込みや、トスカーナ名産のフェンネル入りのサラミなども入れていただきました。

長澤(シェフ):
トスカーナは美食の街だからね。自分はフレンチの人間なので料理はイタリアンにはならないんだけど、トスカーナの雰囲気は感じてもらえる内容になったかなと思います。全体的に森のような香りのイメージがあったので、日本とフランスのキノコを10種類合わせてバターの香りを効かせたフリカッセや、いちじくとくるみを入れたパンなど、料理にもワインの香りのニュアンスを入れました。鶏のスモークも合いそうだなと思って入れましたが、今野がワイナリーにキャベツがいっぱい育っていて、そのキャベツのスープが思い出だと話していたので、優しい味のシュークルートを付け合わせで入れたりね。

今野(ソムリエ):
アナゴのミルフィーユは完全にピンポイントでリクエストしました(笑)。ワインに合わせて甘塩っぱい味に和のスパイス山椒が効いた味わいです。デザートは栗の粉のクレープの中に、栗とさつまいものきんとんが入ったきんつばのようなデザートです。栗の粉もよくトスカーナで使う食材で、栗の花の蜂蜜も使っており、ワインとの相性もばっちりです。

―――――どんな風にこのセットを楽しんでほしい?

今野(ソムリエ):
スターテーブルではいろいろな商品のラインナップがありますが、このセットではおひとり様、もしくはお二人様で、夕方頃からゆっくりまったりとした時間を楽しんでいただきたいなと思います。なんせおつまみを自分で作らなくてよいし(笑)、美味しいおつまみとワインで自分へのご褒美や、ちょっと贅沢をしたいときなんかにぴったりじゃないでしょうか。こんなご時世なのでリモート飲みなんかでもぜひご利用いただきたいですね!

長澤(シェフ):
おつまみの種類も量もわりとしっかりあるので、ワイン1本だと足りないかも(笑)。イタリアやフランスの人たちが好むような、気取らない内容に仕上がったと思うので、おうちでリラックスして楽しんでもらえたらなと思います。

「ワインとおつまみセット - 秋の味覚とサンジョヴェーゼ」お届けは10/23(土)。秋の夜長にペアリングの妙をご自宅でじっくり堪能されてみては?

★次回は年末気分を高める"スパークリング"をテーマに12/11(土)お届けで企画予定です。どうぞお楽しみに!

PROFILE
長澤宜久|Takahisa Nagasawa
ブルーノート・ジャパングループ エグゼクティブシェフ
1965 年、岡山県生まれ。91年より渡仏。三ツ星から星なしにいたる様々な名店での修行を経て、帰国後(2001年)シェフ・三谷青吾氏のもと東京・南青山のフレンチレストラン「アディング・ブルー」の立ち上げに参画(同店シェフに就任)。その後、丸の内「レゾナンス」等のシェフを経て、13年より現職。「ブルーノート東京」では様々な国内外アーティストとジャンルを越えたコラボレーションを叶えながら、個性豊かなディナープロジェクトを展開中。ソムリエ、チーズプロフェッショナル、唎酒師などの資格も持つ。

今野明日香|Asuka Konno
ブルーノート東京ソムリエ。2015年ブルーノート入社。ワインの仕入れ、リスト作成、公演内容に合わせたワイン企画等を手がける。料理の細かなニュアンスをつかみ、互いを響かせ合うようなワイン選びが好評。

  • 販売終了:【10月23日(土)お届け商品】ワインとおつまみセット-秋の味覚とサンジョヴェーゼ